人・社会との関わり
人間は決して一人では生きていけません。
人それぞれに人生がありますが、一般的には両親の愛に守られて成長します。
不幸にも幼くして父や母を亡くした人であっても、やがては大人になり、誰かと結婚して所帯を持ち、新しい命に恵まれて、次の世代へと引き継いでゆくものです。
無人島でも無い限り、人は社会との関わりを持たずに生きていくのは不可能です。
世の中に出て行くというのはどういう事でしょう。
幼少期から学生時代の終わりまで、いかに様々な人達から守られて生きてきたのか、社会に出てみて初めて気づくはずです。
恩師・同級生・先輩・後輩・上司・部下
学校生活において、恩師や同級生、部活の先輩などは、自分の成長にとって欠かせない存在だったはずです。
社会人になれば、上司や先輩、または部下との関わりが切っても切れません。
これまでに出会ってきた人の中には、もしかすると相性が悪い人もいたかもしれませんね。ですが、そうした人たちも「反面教師」として、決して意味のない存在ではなかったと気づくはずです。
人としての教養を授けてくれた先生、仕事を一から教えてくれた上司、共に励まし合う同僚など、今までも、そしてこれからもたくさんの人と出会うことでしょう。
親・兄弟との関係
学生時代に自宅から通学していたのか、親元を離れて独り暮らしをしていたのかによっても、社会との関わりの深度が既に違っていると思います。
ただ、親元から離れるのは、社会人になるタイミングが多いのではないでしょうか。
これまでは、食事や洗濯は母親にまかせきりだった方がほとんどだと思います。
学校から帰れば夕飯時には食事が用意され、朝起きれば登校までには朝食が出てきます。
汚れた体操着も、脱いで洗濯カゴに入れておけばキレイに洗濯されていたことでしょう。
どんなに自堕落に過ごしたとしても、両親は大きな愛情で受けとめてくれていたと思います。
兄弟姉妹との関係も然りで、もしあなたが弟や妹だったら、ことあるごとにお兄ちゃんやお姉ちゃんに面倒見てもらっていたはずです。
ことわざに、墓に布団は着せられぬ(=親が死んでから孝行をしようと思っても手遅れである。石に布団は着せられないから)というのがありますが、親が元気なうちに感謝の気持ちを示して、孝行するようにしましょう。
伴侶・パートナー
現代は、昔と比べて結婚年齢が高齢化しています。
2015年の厚生労働省人口動態調査によれば、平均結婚年齢は男子31.3歳、女子29.4歳です。
また第一子誕生時の父親の平均年齢は32.7歳、母親は30.7歳です。
2015年から30年前との比較では、男子2.9年、女子3.9年、結婚する年齢が遅くなりました。
因みに、50歳で一度も結婚していない「生涯未婚率」は男子20.14%、女子10.61%です、
最近は入籍を伴わない同居生活や、同性をパートナーとした家族も存在しますが、どんな形態であっても、「家族」は安らぎの場所であり、活力の源となるでしょう。
体調を崩した場合も、精神的に落ち込んだ場合にも、伴侶・パートナーが親身に世話をしてくれる心強さは何ものにも代え難いものです。
なんらかの理由があって生涯独身を貫こうという強い意思でもない限り、良き伴侶を見つけてご自身の家庭を築いていって欲しいです。
大辞林では、「帰巣性」とは「動物が自分の住処や巣、あるいは生まれた場所へ帰ってくる性質や能力。帰家性。帰巣本能」とあります。
帰るべき巣は家庭、家族のもとなのです。
家族を大切にするのは、個人が社会生活をおくる上では、非常に重要な事であると考えられます。そうした社会学的な側面を抜きにしたとしても、生きていく中でやはり家族がとても大切な存在なのは言うまでもありません。たとえ会社でつらいことや悲しいことがあっても、家族のためなら頑張れるという場面は多いですし、また、家族を守るというのが働く理由にもなります。心の拠り所があるというのは、人生を豊かで楽しいものにしてくれますので、ぜひ家族を大事にして下さい。