犯罪に関与するリスク
日常生活の上では、「犯罪の被害者になる」ケースと「自らが犯罪を犯す」ケースがあります。
その他に、自らが被害者となった事で、結果的に会社に損害を与えるケースもなくはありません。
加害者になる場合
出張で会社から持ち出したノートパソコンを新幹線内で盗まれたとします。
そのPCに全くデータが入っていなければ、単なる「資産紛失」の事案で、パソコンの購入額相当の金銭喪失だけで済むでしょう。
しかし、PCに関係取引先の名簿や見積り積算データなどが入っていたら、会社に与える損害は計り知れません。
PC本体でなくても、フラッシュメモリーにデータを入れて持ち出した物を、どこかに紛失した場合も、悪意のある人物の手に渡った時には、大きな損害に繋がりかねません。
また、外部ネットとの接続や、不用意にメール添付ファイルを開くことによってウイルスに感染し、結果として会社に甚大な損害を与えるケースも起こり得ます。
企業によっては、社用パソコンは外部ネットとの接続を不可としたり、フラッシュメモリー自体の使用を禁止したりと、いろいろ防衛策を取ってはいますが、従業員一人一人が常にセキュリティーを意識して、緊張感をもって仕事をしなければなりません。
インターネットやメールが普及する以前のFAXが主流だった時代に、ライバルメーカー宛の見積りファクスが送信されてきたことがありました。
おそらく発信した側は、業界内ではライバルとなる複数のメーカーと取引していて、間違って近いボタンを押したのでしょう。
本来は万一に備えて、機器を別系列にするなりの対策がなされるべきだったのです。
フェイルセーフとかフールプルーフとは、「万一ミスしても問題を起こさない対応」をいいます。
被害者になる場合
昔のサラリーマンものの映画などでは、中年の冴えないオジサン社員が、若い女性社員のお尻をタッチする場面なんかもありましたが、現代社会においてそんな事をしたら、「セクハラ」だと大問題になります。
新婚さんの女性社員に「子供はまだ?」という質問を投げかけるのもアウトですし、机の上にヌードカレンダーを飾っておくのももちろんNGです。
また、仕事熱心なあまり部下に「ヒドい言葉」を投げかけると、「パワハラ」になります。
実際に、上司からの圧力に耐え切れずに自殺したケースも散見されます。
基本的には、ビジネスだけの付き合いだと考えて、相手を呼ぶときは「○○さん」ときちんと姓で呼び、「△△ちゃん」とか「△チン」の様に、名前や愛称で呼ぶのは避けるのが妥当です。
部下や後輩に注意喚起する場合にも、十分な配慮をして下さい。
「怒る」と「叱る」は根本的に違います。間違っても感情的な対応はしてはなりません。
公私混同を慎むこと
会社によっては、社用パソコンは「外部ネットに繋げない設定」だったりします。
外部から侵入されて、情報が流出するのを回避するためです。
勿論、外部への接続が可能な会社も普通にあります。
会社資料の作成時に、ネットで公表された統計数値を検索したり、関連情報を参照したりする行為は当然のものです。
しかし、会社に関係のない自分の関心事を検索するのはよくありません。
「株式投資をしているので、勤務時間中に保有銘柄の株価を検索する」とか、「コンサートチケットを手配する」といった行為はすべてNGです。
また、事務用品や文具類の私的流用もしてはいけませんし、出張費精算での金額の誤魔化しは犯罪行為にあたります。
勤務時間内に私用を持ち込まないこと、会社の備品・消耗品を私的に流用しないというのは絶対に守って下さい。今は「そんなのは当たり前だ」と思っていたとしても、周りにそうした人がいたりすると、気付かない内に流されてやってしまう場合があります。あくまでも会社に仕事をしにいっているのだということを忘れないようにしましょう。